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第95話 ーー谷崎学 蒼sideーー

柚は東総合病院、特別室のベットで腕には点滴、人工呼吸器、それに心拍計を付け眠り続けていた。 「ヒートからくるフェロモンの数値は安定しだが、まだ予断を許さない…。でもどうしたんだ和臣。蒼くんの助けがあと一歩遅かったら、この子は死んでいたぞ」 和臣と旧友であり同じ医学部を卒業し、東総合病院オメガ専門医となった谷崎学は困惑していた。 「学さん、柚はこれからどうなってしまうんでしょうか?」 蒼は学を縋るような目で見た。 今は穏やかな顔で寝ている柚だが、和臣が運転する車で病院に着いた時には、ほぼ脈が止まりかけていた。 病院についてからは、すでに和臣から聞いていた学の適切な対応により脈は安定し、フェロモン数値も落ち着き柚は一命を取り留めた。

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