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第99話 ーー助言 蒼sideーー

「蒼。伊吹くんとはどうするつもりだ」 助手席に蒼を乗せ、和臣自身が運転する車で『菊池オメガ専門病院』に向かう途中、和臣が蒼に尋ねた。 学から伊吹の名前が出たときに鳴った電話は、瑆から。 瑆が電話をかけたちょうどその時、伊吹は『後天性オメガ』だとわかった直後で、フェロモン対策の点滴中だった。 蒼に電話をしたのが伊吹じゃなくて、瑆だった理由。 それは蒼を診察をしたかったから。 蒼自身の体調の変化、そして、伊吹と柚のフェロモンについて。 瑆は伊吹、蒼、柚、3人の今の状況を把握したいとのことだった。 真っ青になり助手席に座る蒼の様子を見て、信号待ちをしているときに、 「心配しなくて大丈夫。『菊池オメガ専門病院』は最先端の設備と医師がいる」 和臣は蒼の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。 「兄さん…後天性オメガって…なに?伊吹に何があったんですか?伊吹に何かあるかと思うと……」 青ざめたまま、不安で仕方ないという表情で蒼は和臣を見た。 「それは中星先生と菊池先生から詳しい話があると思う」 「…」 「それより蒼………、柚くんの事、伊吹くんに上手く伝えられてないじゃないか?」

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