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第100話 ーー助言 ② 蒼sideーー

「!!!!それは……」 和臣の指摘に蒼は口籠る。 「蒼が柚くんを助けてあげたいと思う気持ちはよくわかるし、素晴らしい事だと思う。でも蒼が一番守らないといけない人を悲しませていんじゃないか?」 「!!」 和臣の口調は優しかったが、その言葉、一言一言が蒼の心に鋭く突き刺さり、今までの悲しそうな伊吹の顔が浮かび上がる。 「蒼のことだから言えない事情があっての事だとは思う。だけど蒼、間違えたらダメなんだ。大切な人を守るために、しないといけない事、してはいけない事…」 「…」 「蒼、伊吹くんには言うべきだ。誤解が誤解を生む前に」 「それは……。俺も言いたいんです。でもなんて言えば…」 「と言うと?」 「この前、孝司さんが直接伊吹に会いに来て探りをいれたようなんです…。その時は大丈夫だったのですが、もし今後あんな事があったらと思うと怖くて…。もし、伊吹が何か知っているとわかったら、何をされるか…」 考えただげも恐ろしくなる。 「そうだったのか…」 そう言って和臣は少し考え、蒼を見つめた。 「蒼、伊吹くんのことはどう思ってるんだ?」 「何より大切な人で、俺の番です」 「じゃあ柚くんのことは、どう思ってる?」 「え?」 どう思ってるって? 「柚は友達です」 蒼はキッパリ言い切った。 「伊吹くんは蒼の最愛の人かい?」 「はい‼︎」 和臣の目をしっかりと見て蒼は返事をすると、 「伊吹くんを守ることが、今もこれからも、蒼が一番しないといけない事だ」 和臣は微笑んだ。

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