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第101話 ーー問診 ① 蒼sideーー

蒼は『菊池オメガ専門病院』に着くと、伊吹のもとへすぐにでも行きたかった。 だが、受付けで待っていた瑆が 「蒼くん、先に問診をさせてほしい」 と、蒼の要望を却下した。 「どうしてダメなんですか‼︎」 瑆に言われ、いつも冷静な蒼が声を張り上げると、待合にいた患者達が驚いた顔で一斉に蒼を見た。 「蒼くんのフェロモン状態を確認したいんだ」 瑆が優しく微笑みかけるが、それを聞いた蒼は今にも瑆に掴みかかりそうになり… 「蒼、落ち着け」 和臣がそんな蒼を止める。 「中星先生、すみません。いつもは冷静なんですが、伊吹くんの事になると何も見えなくなってしまうので…。蒼もこんな様子なので、私も付き添ってもいいですか?」 和臣が少し困った風に微笑むと、 「柚くんの事もありますし、是非そうしていただけると嬉しいです。じゃあ、こちらに」 瑆は2人を別室へと通した。

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