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第102話 ーー問診 ② 蒼sideーー

蒼と和臣が通されたのは、伊吹達オメガがいる一階の病室ではなく、二階の診察室だった。 そこはまだ誰もいないようで、しんと静まり返っている。 オメガ病棟同様、柔らかな絨毯が引かれ、蒼と和臣が座るのはゆったり座れるソファー、そして対面するように瑆が2人掛けのソファーに座ると、伊吹の診察を終えた勇気が、3人分のコーヒーと1人分の紅茶を運んできた。 「お口に合うか…」 勇気が和臣の前にコーヒーを置くと、 「蒼くんは紅茶派なんだよね」 蒼の前には紅茶を置く。 「どうしてご存知なんですか?」 不思議そうに蒼が勇気を見た。 「伊吹くんが色々教えてくれてね。自分のことより、蒼くんの話になると物凄く話してくれるから、蒼くんに会う前から蒼くんとは昔からの知り合いみたいによく知れて、楽しかったよ」 その時のことを思い出したように、勇気が笑った。 「ここはアルファ病棟なんだ」 蒼と和臣、瑆と勇気、向かい合うように座ると、本題に入った。 「オメガ専門病院だから、ほぼ8割がオメガ患者さんなんだ。でも残りの2割の患者さんはアルファで主にオメガ患者さんのお相手の方だったり、不妊治療で来られるオメガの患者さんと一緒に来られてるアルファの患者さんなんだ」 勇気の説明に、蒼は疑問を持った。 「オメガとアルファのカップルで不妊治療…ですか?ヒートの時の行為は妊娠率が高いはずでは…」 「本来であればね。ただここには問題があるんだ…。その前に、後天性オメガについての説明をさせてくれるかい?」 「是非‼︎」 蒼の返事を聞いて、勇気が話し始めた。 勇気は瑆が伊吹にな話したのと、今の伊吹の容態を蒼と和臣にすると、蒼の顔には驚きの表情へと変わっていく。 菊池先生の話では、伊吹は後天性オメガ⁉︎ じゃあ、もし……もしも、もしも伊吹が承諾してくれたら、俺は伊吹の番になれるかもしれないという事なのか⁉︎ ふと、そんな事が蒼の頭をよぎる。

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