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第134話 突然の別れ ①

「うわぁ〜〜〜」 「凄い‼︎」 「すげー‼︎」 「豪華すぎ‼︎」 クリスマス会の準備も終わり、大広間に運び込まれた夕食を見て、子供達は歓声を上げた。 骨つき唐揚げにコーンスープ、ポテトサラダ、そしてブロッコリーはツリーに見立て、チーズやウインナーで飾り付けされている。 茹でたうずらで作られた、雪だるまやサンタクロース。 トナカイはミートボールで作られていた。 すでに装われているカレーにはスライスチーズで作られたプレゼントがたくさん飾られている。 「食後はケーキにゼリーもあるのよ〜」 清美の言葉に 「やったーー‼︎」 「楽しみー‼︎」 子供達からは、歓喜の声が上がる。 子供達が囲む食卓の前の壁には 『クリスマス会』の文字と『柚くん、お別れ会』の文字があった。 ものすごいパーティー‼︎ こんなにすごいパーティーは初めて‼︎ ぼくの『お別れ会』なのも、あるのかな? ここのお友達や先生とお別れするのは悲しいけど、明日からお母さんと一緒‼︎ またお母さんと一緒に、ここに遊びに来れるかな? いい子にしてたの、サンタさん見ててくれたんだね。 ありがとう、サンタさん‼︎ 柚の顔から笑顔が溢れる。 「さぁ、もうすぐ始めましょう。柚くん、院長先生に声をかけてきてくれる?」 清美が柚に頼むと、 「はぁ〜い」 柚が元気に答えて、職員室に向かった。

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