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第156話 ー蒼の寝坊 ② 伊吹sideー
大学内のカフェで、頭を項垂れる蒼。
「大丈夫だって!」
それを慰める伊吹。
「いや、あれはやばい…」
「テスト中、寝てしまうぐらい誰でもあるって」
「いや、ない…。伊吹はあるのか?」
「‼︎…ないけど……さ…。でも、一応、4分の3は書いたんだろ?じゃあ合格点だって」
「でも、一問でも間違えてたらヤバい……。それに問いてた時の記憶があやふやだし…」
「大丈夫だって!」
全力で蒼を慰める伊吹だっだ、蒼には届いてなさそうで…
あの優秀で、なんでもこなす蒼なのに、
朝のことといい、
テスト中寝てしまったことといい、
今日はおかしい…
今日一限目のテスト。
蒼は途中で寝てしまっていた。
しかも授業終了のベルがなっても気が付かず、教授に『優等生は余裕だけね。私のテストはそんなに簡単でしたか?』と、嫌味まで言われていた。
大きなテストではないが、今日の成績は学期末のテストに響いてくる。
蒼のことだから、今までのテスト、講義態度、完璧なのでそんなに心配はないはずだが……
「蒼、何かあった?昨日の夜中、途中何度も起きてたみたいだし…」
蒼は無理するから心配…
伊吹が蒼の顔を覗き込むと、
「大丈夫。今日は特別眠いだけだから」
蒼は苦笑する。
この笑い方は何か隠してる。
「ねぇ、ちゃんと言ってよ」
伊吹は真剣な顔で蒼を見た。
「…。わかった…」
そんな伊吹の姿に、蒼も観念したようで、ポツリポツリと話し出した。
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