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第158話 気づかなかったフェロモン① ー伊吹sideー

全然気が付かなかった。 蒼がいてくれなかったら… 背中に寒気が走る。 「蒼、俺のフェロモン大丈夫?」 伊吹が心配そうに蒼の顔を覗き込む。 「本当は伊吹の甘い香り、食べてしまいたいけど……」 「‼︎」 「でも安心して伊吹。俺は大丈夫」 蒼は伊吹の頭を優しく撫でた。 蒼は大丈夫。 安心したけど… やっぱり寂しい。 俺のフェロモンに蒼は反応しないんだ… 「一応、家に帰ったら薬飲むよ…」 蒼は大丈夫って言っても、一応飲んでおかないと… 「いや、伊吹、薬飲まなくていいよ」 え? 「俺は大丈夫だから、伊吹はゆっくりしてたら治るかもだし…。それまで様子見よう」 ……。 そんなに蒼には影響ないんだ…… 反応しないんだ… 悲しいけど、これが現実。 受け止めていかないと… 伊吹の胸が痛んだ。

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