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第169話 蒼の寝坊 ① ーー蒼sideーー

3度目。 蒼が目覚めたのは午前5時。 蒼はなんの迷いもなくキッチンに向かうと、3錠目の薬を口に含み、水で体内に流し込む。 そして伊吹が気付く前にベットに入ると、先ほどまでなかった眠気に襲われ、ストンと穴に落ちたように深い眠りに入っていった。 「…おい…。あおい………、蒼ってば‼︎‼︎」 「…ん…?」 蒼は伊吹に思いっきり体を揺さぶられ続けて、目を開けた。 「やっと起きた‼︎」 あれ? いつも可愛い伊吹が、今日は怒ってる…… 「伊吹……、怒ってる?」 ぼやけて見える伊吹の頬に、蒼が手を当てた。 「怒ってないけど、焦ってる‼︎蒼、早く起きて‼︎遅刻しちゃう‼︎」 伊吹は一生懸命、蒼の腕を引っ張り起こそうとしている。 「遅刻?なんで?」 なんだろう…… 頭がほわほわする… 「もー!ほらこれ見て‼︎もうこんな時間‼︎バス行っちゃうよ‼︎一限目のテスト、間に合わなくなっちゃうって‼︎‼︎」 伊吹に突きつけられた携帯の画面で時間を確認すると………

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