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恋のはじまり☆1
『なあ・・・俺・・・、恋したかも・・・』
『・・・・・はぁ?』
それは、突然の告白だった。
大学の学食。
昼休みも終わりに近くて、人影は疎ら。
ご飯を食べ終わって講義の時間まで
のんびりしていた俺は 思いもよらない中野の告白に・・・
思わず笑ってしまった。
『な、中野が・・!?恋っ!!わははは!』
『───っ、なんで笑うんだよっ!』
『だって・・・中野が・・・っ!あははは!』
『あ、晃くん・・・笑ったらダメだよ~』
遊に咎められるけど・・
笑えるもんは笑えるんだもん。
しょーがないじゃん!
『えと・・・大学の子?』
笑う俺を放置して、遊が中野に聞く。
ああ、遊ってば優しいなぁ
そんなヤツに気ぃ使わんでもいいのに・・・
『う・・///あ、いや・・コンビニで・・レジ・・///』
『コンビニでバイトしてる子なんだ~』
『う、うん。も・・・もうさ!
なんつーか、スッゲー可愛いんだよーっ!』
おえ。
なに言ってんだか・・・
『・・・ほほぉ。
そんな可愛い子が、お前を相手にするかねー?』
頬を染めて、興奮している中野が気持ち悪くて
ちょっと からかってみる。
『ああ!?うっせーな!』
『もうっ!晃くんは黙ってて!!』
『────っ』
怒られた・・・(遊にまで・・・)
ふん、
ま、どーでもいいけどさ。
でも・・・・恋・・か
中野が、恋・・・ねぇ・・・
高校時代からのつきあいだけど これまで
中野の浮いた話は聞いた事がなかった。
恋愛に興味ないのかと思ってたくらいだ。
だから、中野の言う"可愛い子"が・・
相手にしてくれるかどうかは分からないけど・・・。
『まぁ、頑張れよ』
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