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おまけ☆2
『どうしたの?中野くん』
『へ?や、遊・・・////
あの・・俺・・なんも、なんも聞いてないから///!』
『えー?なにを?』
遊は、動じた様子もなくニコニコしている。
『だから・・・!あの・・・・その・・こ、声・・・////』
『こえー?なんの?』
ニコニコ
『え・・・・あの・・・』
『なにか聞いたの?』
ニコニコ。
『えーと・・・や、なんにも』
『そう?そうだよね?』
ニコニコ。
遊は、笑顔を崩さない。
ただし、顔は笑ってるけど
目はこれっぽっちも笑ってない。
『・・・?晃・・・なんか・・・・寒くね?』
『・・・・・そう?』
『気のせいか・・・?』
『・・・・・・・・・』
ううん。
気のせいじゃないよ。
遊から・・・冷気が漂ってるからね。
『なあ、晃、遊・・・・笑ってるけど・・怖くね?』
中野が、こそこそと俺に話しかけてくる。
分かってないなぁ。
ここは1つ、優しい俺が教えてやるか!
『要するに~忘れろ・・・って事だよ』
『───あぁ!・・なるほど・・そういう事・・』
すると、
中野が何故か・・・俺に哀れんだ視線を向けてきた。
『なんだよ?』
『いや・・お前も大変だなと思って・・・』
『なにが?』
ヘラヘラ。
『え?・・・だって・・アイツ、怖・・・・』
『遊は世界一かわいいよ?』
ヘラヘラ。
『・・・・・・・お前・・・』
『ん?なに?』
ヘラヘラ笑っていると、中野もプッと吹き出した。
『あー、いてて・・・。頭いてー』
『大丈夫か?今日も休めばよかったのに』
『いや・・さすがに これ以上休めないんだ・・・』
『は?もう?サボりすぎだろー』
『あ“ー、分かってるよ・・・』
中野は、スポーツドリンクを飲み干して立ち上がると、
『俺、もう行くわ。
教授に課題のプリントもらわなきゃ・・・』
『あ、うん』
俺も、遊と立ち上がる。
背中を向けて歩き出した中野が、
くるんと振り返る。
『お前ら見てると・・・
恋って やっぱ いいなって思うよ』
そう言って、ははっと笑った。
『俺も頑張って、恋人 見つけるわ~』
『ははは。頑張れ』
『おう、じゃあな』
歩いていく中野。
背中が・・・なんか寂しそう
なにか・・・、
なにか、気のきいた言葉・・言わないと・・・
『な、中野っっ!がんばれっ!
今度は、性別 間違えるなよー!』
『・・・・・・あ、晃くんっ?!』
ずっと黙ってた遊が
ぎょっとした顔で、俺を見た。
『・・・・・・え?』
───あ、ヤバい
『ゆー、逃げよ?』
『もー、晃くんてば』
遊と手を繋いで、反対方向へ走り出す。
二日酔いで追い付けない中野の声だけが
後ろから追いかけてきた。
『・・・・・てめーっ!やっぱり殴らせろっ!』
* * * お わ り * * *
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