333 / 761
甘い生活…?☆19
* * * 晴臣・side * * *
そろそろ・・・かな。
流れる町並みを見て、
これから暮らすアパートが近いのを確認した。
はぁ・・・・。
そういや、今・・夕方だけど・・・・
英道、晩ご飯とか・・・どうすんのかな?
今日は一緒に食べてくれるかな・・・?
以前 住んでたアパートは狭かったし、
布団だってシングルだったし、
俺んちに遊びに来ることはあっても、
泊まったりはしなかった。
今度のアパートも同じようなもんだから
泊まっても もらえないよなぁ・・・。
遠くなっちゃったから・・・
せめて、もう1組 布団を買っといたら
英道と・・・一緒にいられる時間が増え・・・・・・・
───って、違うだろっ!
なんで、一緒にいる事ばっか・・・
それも、「今日」「今から」どうやったら
英道と長く一緒にいられるか、って・・・・
甘えたくないんだろ?
自立すんだろ?
なのに、なに考えてんだ、俺は・・・!
ああ・・・なんか・・・・もー。
ダメ、・・・俺。
自立どころか、
自分の乙女思考に情けなくなってくる。
こんなんで大丈夫かな、俺・・・・。
ため息を吐いて、伏せていた顔を上げる。
車が いよいよアパートの近くまで
来ているのが分かった。
この角を左に曲がったら・・・・、
窓にへばりついて、曲がり角をジーっと見つめる。
この角を曲がったら もう着いてしまう・・・
そう思ったら、胸がきゅっと痛くなった。
ともだちにシェアしよう!