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誤解と誤算★35

* * * 遊・side * * * 『あ・・・・う・・・・・・』 なんで・・・ なんで分かっちゃったんだろう・・・ アワアワして何も言えない僕に、 『オモチャと遊、どっちがいいか・・・なんて  比べるまでもないでしょ?  それとも遊は俺の愛を疑ってるの・・・?』 と、晃くんはムスーっと僕を見る。 『あ・・・・えと・・・』 ど、ど、ど、どうしよう・・・っ! 疑ってない!疑ってないよ! 『えっと・・・・えっと・・・・』 と、言いたいのに声にならなくて ますますアワアワする僕に 晃くんは僕の背中と頭に手を回して 優しく抱きしめた。 『なんてね。』 『え・・・・・?』 『そういう俺も実は・・・ね?  遊は、俺じゃ満足できないのかな、  オモチャの方がいいのかな、・・・って  ちょっと思ったり・・・・した。』 『え・・・、え・・・?ええぇ・・・っ!?』 な、なんで? 顔を上げようとしたんだけど 晃くんにギュッと押さえ込まれてしまう。 『だってさー。  遊ってば、最近ものすごーくエロくてさー。  すっげー積極的だったしさー。  でも、なんかこう・・必死さも伝わってきてさー。  俺に何か足りないところがあるのかなー、とか  思っちゃったんだよー。』 『えぇ・・・?ううん!そんなこと・・・』 ない・・・っ! そんなつもりじゃなかった・・・! ジタバタ暴れる僕を宥めるように 晃くんの手が背中を撫でる。 『うん。ごめん。違うよね。  俺も遊を分かってなかったよね・・・。  なのに安易におもちゃ使う?  なんて言って・・・ごめんね?』 『・・・・・・・』 『泣かせてごめん。』 『・・・・・・・』 『ゆー?・・・怒った?』 晃くんの優しさが気遣いが・・・・ そして後悔が 僕の胸をいっぱいにして 声が・・・・出ない・・・・ 晃くんの腕は、僕を離さないまま・・・だから 分かってもらえるように必死で首を横に振る。 晃くんは、ふぅ・・・って息を吐いて、 静かな声で言葉を紡ぐ。 『・・・ね、遊・・・。これからずっとずっと、  おじいちゃんになるまで一緒にいるんだからさ・・。  長い人生、振り返ったら、これも些細な事・・・  なのかもしれないけど・・。』 『うん・・・・』 『遊と話せなかったり、  遊が傍にいなかったり・・・ていうのは  ホントにツラいんだ・・。』 『うん・・・・・』 『俺の事を嫌いになったんじゃないなら  俺から離れないで・・・。  例え、ものすごい大ゲンカしたとしても  俺の傍にいて・・・?』 『・・・・う、うん・・・っ』 『心配したんだから、ホントに。』 『・・・うん・・・うん・・・っ・・・』 しがみつく僕を抱いたまま くるんと体を入れ替えて 今度は 晃くんが上になる。 晃くんの重さが心地よくて、 晃くんの匂いに包まれて、 僕はうっとりと目を閉じて 晃くんの頭と背中に手を回した。

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