482 / 761
最強の来訪者☆1
* * * 晴臣・side * * *
ある土曜日の朝。
何日か前に降った雪もすっかり解けて、
あんなに寒かったのがウソのように
暖かくて 絶好のお出掛け日和!
ちょっと遠出して
アウトレットの店にでも行こうか、って
英道と話して・・・
っていうか
車があると、こういう時 便利だよな~。
いっぱい買い込んでも、
帰りの荷物の心配しなくていいし。
痴漢の心配もしなくていいから
気楽だし。
・・・なーんて、な。
『よし、行くか。』
『うんっ!行こう行こう~♪』
出かける準備を済ませて、
ルンルンで玄関へと向かう。
・・・その時、スマホが鳴り出した。
誰だよ~、タイミング悪いな~。
と、ポケットから出して、名前を確認する。
『・・・・・・げっ!』
途端に、背筋にヒヤリとしたものが走り、
血の気が引いていく・・・気がする。
ヤ、ヤ、ヤバいっ!
ヤバいっっ!
ヤバいってーっっ!
コ、コイツ・・・あ!い、いや、この人は・・・
出来れば、出来ることならば、
会いたくない・・・!
俺の1番 苦手とする最強の・・・・
『・・・・・・・・・||||||』
画面を見たまま、出ようとしない俺に
英道が不思議そうに聞く。
『・・・出ないのか?』
『で、出るよ!?出ますっ!!』
ホントは出たくないけど!
出なきゃ・・・
出なきゃ、俺の命が危ない・・・っ!
俺は姿勢をただし、何度か深呼吸をしてから
震える手で通話ボタンをタップした。
『は、は、は、はははははい!』
『はーるーおーみーぃー!?』
聞こえるのは、超 不機嫌な声。
お、怒ってる・・・っ!
最悪だ、最悪だ、最悪だぁーっ!!
『はいっ!晴臣ですっっ!』
超 不機嫌なその人は、静かに・・・
(でも、怒ってるのは明白な声で)
話す内容は・・・
その、存在よりもなによりも
とんでもなく恐ろしいもの・・・であった。
ともだちにシェアしよう!