483 / 761
最強の来訪者☆2
* * * 英道・side * * *
ある日の土曜日。
数日前に降った雪もすっかり溶けて
出かけるには いい日和だ。
ってな訳で
ハルと車で ちょっと遠出しようかって話をして
やる事を チャッチャと済ませて・・・
───って、やるっていうのは、
洗濯とか掃除の事、だからな?ん?
まあ、それは置いといて
さぁ行くか・・・と
玄関でくつを履こうとしていると・・・
まだ廊下にいたハルのスマホが鳴った。
『・・・・・げっ!』
という声に振り向くと・・・
スマホの画面を見て、固まるハル。
気のせいか、顔色が悪いような気がする。
そのまま出ようともしないし
顔色は悪くなっていくばかり。
『出ないのか?』
と、聞くと・・・「で、出るよ!?出ます!」と
何故か姿勢をただし、何度か深呼吸をしてから
ぶるぶる震える手で通話ボタンを押した。
『は、は、はははははい!』
─────?
なんか、すごく どもってるんだけど。
『はいっ!晴臣ですっっ!』
─────?
なんか、えらい礼儀正しいんだけど?
つーか、
なんだろう・・・・・なんつーか 怯えてる?
うーん。
なんか相手は相当 怖い人らしいな。
つか、そんなヤツいたっけ?
聞いたことなかったけど・・・・・
『はいっ!はいっ!・・・・え!え?えぇ?!』
『いや、それはちょっと・・・・え?いえ!
逆らうなんて気は・・・いや・・でも・・・・』
顔色が ますます悪くなる。
青いを通り越して、真っ白になっている。
何を言われてるんだろうか。
ハルがこれほど怯えるなんて・・・
検討もつかないが。
てか、相手は一体 誰なんだ?
気にはなるが、
今は口を挟めるような状態ではなさそうだ、
と察した俺はコートを脱ぐと
ハルを引きずって リビングに戻った。
そして
ソファーにハルを座らせ
ひとまず、電話が終わるのを待つ事にした。
ともだちにシェアしよう!