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最強の来訪者☆36
* * * 晴臣・side * * *
ある日、
突然 恐怖が俺を襲った。
名を 桜子という、
俺の3人いる姉ちゃんたちの中で
1番 強くて、1番 恐ろしい
最強の姉ちゃんが・・・・・・
突然、ホントに突然
不意打ちで 訪ねて来たのだ!!
恐怖のチャイムが聞こえてから
リビングのソファーの上で
“ 消えてなくなれ ”
“ 消えてなくなれ ”
と、願いを込めて
精一杯 小さく丸くなっていた俺だけど
もちろん現実に消えてなくなれるハズもなく
傍に来た姉ちゃんは・・・・・・・・・
とてつもなくダサかった。
『え・・・ね、姉ちゃん・・・・
そのカッコ・・・・・どうしたの??』
怖いのを忘れて つい、聞いてしまった俺。
でもすぐに「黙れ」って すごい顔で睨まれて
慌てて手で 口を押さえた。
こ、怖ぁぁぁぁいっっ!!
怖すぎるぅぅぅ・・・っ!
その上、姉ちゃんは
俺に、1人でケーキを取りに行け、
なんて言ってきた。
俺がいなくなるってコトは
英道は家に残る=姉ちゃんと2人きり
英道が姉ちゃんと・・・・・2人きり・・・・
うえぇぇぇぇ!?
ヤバい、ヤバい!
そんな恐ろしい事・・・ 出来ない!!
って、思ったのは 一瞬。
怒れる姉ちゃんは この世のものとは思えない
恐ろしさ。
『よ、喜んでー!』
あっさり負けた俺は、
脱兎のごとく 逃げ出した・・・・。
ごめん、英道・・・・っ!
出来る限り、急ぐから!
超 早足で歩くから!
姉ちゃんの言いつけを破り、
見られている訳でもないのに
走れない俺。
だ、だって!
逆らったら何をされるか
分からないんだもーん!!
これはもう、
ちっちゃい頃からの洗脳のようなもの。
姉ちゃんの言うことは絶対なんだ。
だから、ごめん!
英道、ごめんっ!!
今、これが競歩の大会中なら優勝出来るんじゃね?
ってくらい全力で ケーキ屋を目指した。
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