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イケメン王子の誘惑☆1
* * * 遊・side * * *
ある日の昼下がり。
昨日は とっっても寒くって
インナーをいっぱい着込んで
ダウンジャケットまで必要だったのに
今日は ウソのように ぽかぽか 暖かくて
多くの学生たちが外で昼休みを過ごしている。
もちろん僕も、その中の1人な訳で・・・。
珍しく隣に晃くんがいないのは
単位が危ない中野くんに つきあって
学生課へ行ってしまったから。
だから僕は晃くんが戻ってくるのを
ベンチに座って待っている。
んー。暖 か~い。
ご飯 食べて お腹いっぱいだし・・・・
何だか眠くなっちゃいそ・・・・
んー、ちょっとだけ・・・・
と、目を閉じて うとうとしていると
誰か隣に座った気配・・・・
ん・・・・、あ。
晃くん・・・・戻ってきた・・?
『おかえり、晃くん・・・・、あれ?』
パチッと目を開けたと同時に、
晃くんの名前を呼ぶ・・・・けど
見ると隣に座っていたのは 晃くんじゃなくて
全然 知らない人だった。
『あ・・・間違えちゃ・・っ・・、す、すみません・・////』
『あはは。いいよ、気にしないで?』
爽やかな雰囲気の その人は、なんだか
やたらと(ムダに)キラキラしてて
僕に向かってキラキラ笑顔を振り撒いてくる。
───は、いいんだけど
えーと。
空いてるベンチは まだ たくさんあるのに
なんで(わざわざ)僕の隣に座ったのかなぁ?
不思議に思っていると、キラキラ笑顔のまま
その人は僕に言った。
『風邪は治ったんだ、よかったね。』
って。
『え・・・・か、風邪・・・?』
『うん。風邪だったんだよね?』
『・・・・・・・』
えーと。
最近、風邪ひいたっていえば・・・・
晃くんと 大人の・・・オ、オ、オモチャ////の事で
色々あった時だけ、なんだけど・・・
その時の・・・・だよね?
え、えーと
えーと・・・・誰?
『あ、もしかして覚えてない?』
『あ。えと・・・・すみません。』
『あー、いいよ、気にしないで。
熱が高かったから仕方ないよね。』
『・・・・・・・』
熱・・・・・
やっぱり あの時か・・・・。
うわー。
誰だっけ???
全然 覚えてないよー💦
『あの。あの時・・・・なにか・・・・?』
恐る恐る聞く。
すると、キラキラさん(仮)は爽やかに
親指と人差指を伸ばして 顎にあてがうと
ピッシリとポーズを決めた。
そして、大袈裟なまでにカッコつけて
こう言った。
『あの時、キミを保健室に連れてったの俺なんだ。』
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