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恋のはじまり??☆27
** 中野・side **
『確かに・・・最初に惹かれた時は伊吹を
女の子だと思ってた。
顔が超 タイプで・・・ 一目惚れして告白して。
で、男だって分かった時は、
そりゃ~、ショックだったよ。』
伊吹が、パッと顔を上げた。
傷ついた顔をして。
そんな顔、させたくない。
そんな顔、しないで。
俺は、離れている距離が嫌で、立ち上がって
伊吹へと近づいて、すぐ前に座った。
そして、伊吹を真っ直ぐに見る。
俺の気持ちを伝えるために。
『・・・でも、クリスマスに再会して・・・
伊吹を知っていくうちに
顔だけじゃない色んなところ・・・・
好きに・・なっていったんだ。』
『・・・・・・・・・・・・・・、好き?』
伊吹が戸惑ったように聞いてきた。
『うん。好き。』
『す、好き・・・・・って・・・友達として・・・でしょ?』
『最初はね。でも、今は違う。』
『・・・・・・・違う?』
『そ。今は・・・伊吹に恋してる。』
『・・・・・・、────っ!
ま、また・・・そういう事、軽く言う・・・。
・・・俺、男なんだって、分かってんの?』
『分かってるよ。軽く言ってないし。
この前、初めて・・・さ、男の伊吹の姿 見た時
俺、ガッカリなんてしなかった。
むしろ、カッコいいなってドキドキした。』
『・・・・・え?』
『俺・・・・・あの時、男の伊吹に恋した・・・
んだと思う。』
『・・・・・っ、───え?』
真ん丸に見開かれた伊吹の目。
驚きの表情のまま 固まる。
見つめあう俺たち。
これで・・・・
傷ついた心は少しは癒えただろうか。
これで笑ってくれるだろうか。
なんて・・・・・・・・・
思った俺だけど
超ネガティブ思考に陥っている伊吹は・・・
一筋縄ではいかなかった。
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