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恋のはじまり??☆28

**中野・side ** 『ウソだ・・・・・。』 『え?』 喜んでくれるかと思っていたのに 伊吹の口から出るのは 否定の言葉で。 『ウソだ。ウソ・・・・絶対ウソ・・・・・。』 『ウソじゃないって!』 『ウソだ・・・・・そんな訳ない・・・』 『いや、あるから。』 『・・・・・あ。・・・・エイプリルフール・・・』 『・・・まだ3月っっ!』 『じゃあ、やっぱり・・・・ウソ・・・・』 『えっ!?ウ、ウソじゃないって!』 『ウソだ・・・・・・信じられない。』 『信じてよ。』 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』 『伊吹・・・・・・・・・?』 沈黙。 伊吹は・・・暫し呆然と天を見上げた後 目を閉じて動かなくなった。 えーと・・・・・・・・・ ま、まあ急に信じろって言ってもアレかな・・・ 落ち着くのを待ってみよう。 ───と、待ってみたものの 5分経ち、10分経ち・・・ もうすぐ15分。 ただ、ひたすら待っていた俺だけど。 もう、いいかな? 『えーと、・・・・伊吹・・・・・?』 『・・・・・・・・。』 『伊吹・・・あの・・信じてくれた・・・・?』 『・・・・・ウソ・・・・・だもん。』 『え?・・・まだ それ言う?』 『だって・・・・  中野くんは男とはつきあわないもん。』 『・・・・・・え・・・////』 「もん」とか・・・・ なんで、こんなに可愛くなってんの! 『や、だから・・・///  伊吹は・・・・俺にとって特別なんだって・・・』 『ウ、ウソだよ・・・っ!!  ノンケ・・・・・・ノーマルの人が  そんな簡単に変わる訳ないっっ!』 くそぉ。 なかなか信じてくれない。 『俺は、伊吹が好きなんだ、信じてよ。』 『・・・・・・ウ・・ソ・・・』 『伊吹、好きなんだ・・・』 『・・・・・っ・・・』 なに言っても どれだけ気持ちを伝えても 伊吹は頑なに首を振って 受け入れようとはしてくれない。 『伊吹。どうしたら信じてくれる?』 そう聞くと・・・伊吹は 探るように ジーッと俺を見て ひと言、 ボソリと呟いた。 『じゃあ・・・中野くん。    俺に・・・キスできる?』

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