601 / 761
恋のはじまり??☆29
** 中野・side **
『キス・・・・?』
『そ。俺の事 好き・・・な・・・ら・・・・』
と、最初は強気だったのに
伊吹は そこで言葉を止めて・・
真っ赤になった顔を隠すように
下を向いてしまった。
『ご、ごめん。今のウソ。冗談。
わ、忘れて・・・・・////』
『・・・・・・・・・』
なに?
急に恥ずかしくなったのか?
あー、
なんかもう、いちいち 可愛いんだよなぁ。
こんなに可愛く見えるって事は
・・・・そういう事だろ。
で?・・・好きなら?
好きなら キス出来るでしょ?って?
つまりは
俺を試している、って事か・・・。
キス・・・・。
キス、ね。
そんなの・・・・・・・
『出来るよ。』
と、自信満々で答えた。
『・・・・・・・・・え?』
『キス、出来るよ?』
『・・・・・・・・・え?ウ、ウソ・・・・////』
『ホント。』
伊吹は、そう言った俺を じっと見て
まだ ほんのり赤い顔で
ふいっと顔をそらして、ぼそぼそと呟く。
『俺・・・は、中野くんと・・・・キスしたいし
ホントにつきあえるのなら・・・
キス以上の事だって、し、したいし、するし。
俺とつきあうって、そういう事なんだよ?
わかってんの?』
『うん。分かってるし、出来る。』
『・・・・・また、軽く言う・・・・。
ホントに分かってる?
俺たち・・・・・男同士、だよ?
中野くん、ノーマルなのに。
・・・生半可な気持ちで
こっちに来たら、後で後悔する・・・・・』
『だから、分かってるし、軽くないって。』
『俺、胸ないよ?』
『知ってる。俺もない。』
『下は余計なモンが ついてるんだよ?』
『知ってる。俺もついてる。』
『・・・・・・』
伊吹は、自分の体を抱きしめて
また 真剣な顔で考え込みはじめた。
ネガティブな考えになってないと
いいんだけどなぁ。
少しは 信じてもらえたかな?
俺の気持ち。
分かんなきゃ、何回でも言うけど。
『伊吹。』
『・・・・・ごめん。俺・・やっぱり・・
その・・・・・・・・・』
あー・・・。
その顔は、まだ信じてないな。
よし、
『伊吹。キスさせろ。』
『え・・・・・。え?・・・えっっ////?』
こうなったら実力行使!
膝立ちして、伊吹の肩を掴むと、
自分の方へ引き寄せる。
『・・・・え?え?ま、待って・・・えぇっっ////?』
自分から言い出した癖に、焦り出す伊吹。
言葉にして 分からないなら、
キスで分かってもらおう。
俺は、伊吹の顔を見つめたまま、
ゆっくりと顔を近づけた。
ともだちにシェアしよう!