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恋のはじまり??☆30
** 中野・side **
『な、中野・・・くん////』
『黙って・・・・・・・』
焦っていた伊吹も、俺が本気でキスするって
分かったのか 急に おとなしくなった。
顔を近づけると伊吹が少し、
顔を上に向けてくれて
どんどん近づく唇と唇。
寄り目になりそうなくらい近づいても、
なぜか伊吹は目を閉じない。
ジーッと見られていると、さすがに
なんだか居心地が悪くて。
『伊吹・・・目ぇ閉じて。』
『・・・・・イヤだ。』
『へ?』
イヤ?
イヤって、何?
『なんで・・・』
『中野くんが どんな顔でキスするのか見てたい。』
『・・・・・・はい?』
『ホ・・・・ホントに出来る・・・?』
『出来る、じゃなくて・・・・する。』
『・・・っ・・////・・・・・・・・・うん。』
再度、顔を近づける・・・けど、やっぱり
目は閉じてくれない。
もう いいや。
キスしたいし。
寄り目にならないように 気をつけて
お互い目を開けたまま
優しく 優しく 唇を触れあわせた。
唇が触れて数秒後、
伊吹がそっと目を閉じたのが見えた。
それで やっと安心した俺も 目を閉じて
伊吹の唇の感触を たっぷり堪能して
・・・ゆっくりと離した。
どんな顔してんのか 見たかったのに・・・
伊吹はすぐに下を向いて顔を隠してしまう。
そして、
『ど・・・どうだった?大丈夫?
き、気持ち悪くない?』
相変わらずのネガティブ全開な発言。
・・・・・・・・・まだ言うか。
伊吹の顎を くいっと上げて顔を覗き込めば
言葉以上の不安げな表情をしてて・・・・
そんな伊吹さえ
もう、「可愛さ」しか感じない。
キスをした事で
自分の気持ちが・・・・・
伊吹を好きだって気持ちが本物だって
確信した。
俺は、伊吹が好き。
ホントにホントに、好き。
『気持ち悪くなんてないよ。
もう1回する?今度は濃い~ぃやつ。』
そう返すと、伊吹の不安げだった顔が
ほんの少し、緩んだ。
『・・・・っ//// ホ、ホント・・・に・・?』
『ホントにホント。してもいい?』
『・・・・・・っ・・・う、うん・・・・/////』
よっしゃ♪
じゃあ、濃い~やつ、いってみよー♪
もう1度、伊吹を抱き寄せようと手を伸ばした
その時、
『あっっ!ダッ、ダ、ダメ──ッッ!!』
『・・・・え?あっ!わあぁぁぁぁっ!!』
突然、ものすごい勢いで伊吹に胸を押された。
まさかの行動に 俺は為す術もなく・・・
畳の上に ひっくり返った。
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