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夏休み4人旅☆62

** 晃・side ** そして・・・・バスに乗ること数時間。 帰ってきました、我が街へ! 『あー!着いたーっっ!』 バスを降りた途端、晴臣さんが叫ぶ。 『あー、体痛ぇ・・・・・』 新見さんの方は大きく背伸びして 長い時間 座りっぱなしだった体を解している。 ───で、 俺と遊はというと・・・・ 『あー、終わっちゃった・・・』 『そうだね・・・ん~、残念・・・』 高速バスを見送り なんともいえない切ない気持ちを噛みしめていた。 楽しい事が 終わる時って、なんだか 妙に寂しいよなぁ。 『よーし!じゃあ、帰るか!腹へったし!』 『お前・・・バスん中で 散々 食ってただろうが。』 『ん?あれは おやつ!食ったうちに入らないの!』 『・・・・・あっそ。』 晴臣さんは 元気だな。 いつでも、どこでも。 『英道、晩メシ なに食う?』 『おう。そうだな・・・・っと  晃と遊は?うち、来るか?』 新見さんは そう言ってくれたけど・・・・ 2人の家に行ったら お互いに 気を使って ゆっくり出来ないだろうし。 今日は もう体を休めよう・・・と このまま別れて家路につく事にした。 住み慣れた街なみを2人で のんびり歩く。 『遊、疲れてない?』 『んー?大丈夫だよー。』 『晩ごはん、どうする?』 『んー。何 食べたい?』 『え。買って帰ってもいいよ?』 『んー。でも、作りたい気分なんだよねー。』 『え。ホントに~?』 『ホントに~。』 『んーと、じゃあ、そうめん!』 『えー。簡単すぎるよ~。』 『簡単でいいよ。そうめん食べたい!』 『ふふ。じゃあ、そうめんにするー。』 さっきまで。 夢のように楽しかった旅行が終わってしまった事が あんなに寂しかったのに・・・ 遊といると、早く家に帰って 早く いつもの日常に戻りたい、なんて思ってしまう。 遊といる日常こそが 俺にとって最高の幸せで。 遊が いれば 俺は 誰よりも 最高に幸せ。 そんな事を考えていたら 遊が 俺の袖をちょいちょいと引っ張る。 『ん?どうしたの?ゆー。』 『えへへ・・・早く帰ろ・・・///?』 『あ、うん。帰ろう帰ろう ♪ 』 『帰ったら、いっぱいギュッってしてね///?』 頬を染めた遊が 小首を傾げて、ふんわり笑う。 ズキュ────ン! で、出たぁ────っっ!! 小悪魔ゆーっ! か、か、かわいーっっ! 『よ、喜んで・・・・っっ//// !!』 ホントは、今すぐ 抱きしめたい! 押し倒してキスしたい! そして、そして・・・・・・ !! 『よし!帰ろう!今すぐ帰ろう!』 『え?・・・あ、晃くん・・・///』 人目も気にせず、遊と手を繋いで 早足で歩き出す。 ほんの一瞬だけ、戸惑っていた遊も すぐに手を握り返してくれた。 『早く帰ろ?』 『うんっ///』 ああ・・・・! 俺って 間違いなく この世で1番、 最高の幸せ者! 遊といれば いつでも、どんなときでも。 * * * おわり * * *

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