760 / 761

夏休み4人旅☆61

** 晃・side ** 『おーい。ハル?ハルくーん。』 『・・・・・・・・・』 帰りの高速バスの中。 名前を呼ぶ新見さんを無視し続ける晴臣さん。 あれから 朝ごはんを食べて、朝風呂に入って (女将とおじさんに盛大に見送られ) 旅館を後にしたのだけど・・・・ その間ずっと、今の今までずーっと 晴臣さんは ずっと黙ったまま・・・・なんである。 『おーい。なにイジけてるんだー?ハルくーん。』 『・・・・・・・・』 『なんだ?晃と遊に負けたからか?  それで怒ってんのか?なあ。』 新見さんは負けじと畳み掛ける。 (すっげー 悪~い顔で・・・・・) 『ハル~?ハルくーん?』 『・・・・・・っ・・・』 新見さんの しつこい攻撃は続き・・・、 『もうっっ!うっさい!バカみちっ!  黙ってろよっっ!!』 とうとう無視もガマンも出来なくなった晴臣さんが 顔を上げ 噛みついた。 ああ・・・ いつも からかわれてる以上に 機嫌悪いなぁ・・ 新見さんってば どうするんだろ・・・。 ハラハラしながら見守る俺と遊。 だけど、 『はは。やっと、こっち見た 。  可愛いなぁ、ハルは ♪ 』 新見さんは、すごく愛しそうに微笑むと すごーく優しい手つきで 晴臣さんの頭を よしよし撫で始めた。 『・・・・・は・・、はああ・・・っ💢//// !?  なに言ってんだ!バカにしてんのかっ///!?』 あああ・・・・ さらに怒らせちゃった・・・ ホント、どうすんの? 新見さんってば・・・・・ ハラハラ、ドキドキしている俺たちをよそに 『うん?  バカになんかしてる訳ねーだろ?  ハルは可愛い♪』 『・・・そ・・、な・・・、・・・・・・っ、・・っっ///////』 ニコニコ嬉しそうな新見さんに なにも言えなくなる晴臣さん。 『よし、ハル。お菓子、食うか?』 『・・・・・・・・・えっ////?』 『それとも喉 渇いた?ジュース飲むか?』 『え・・・・、あ、・・・う・・・・・・・うん・・・///』 一気に言葉を畳み掛け 甲斐甲斐しくお世話をしようとする新見さんに どうやら毒気を抜かれたらしい。 すっかり おとなしくなった晴臣さんは 渡されたお菓子を抱え、 ジュースを ちびちび飲み始めた。 おおお・・・・ 一件落着。 見事に解決! よかったぁぁぁ 遊と2人、 ホッと胸を撫で下ろす。 ───と、新見さんがそんな俺たちに フッと微笑んで・・・ウインクをした。 お、おおお・・・! ウインク! 似合う! カッコいい・・・! まさに、おとなの漢っ(オトコ)! さすが新見さん! 晴臣さんを知り尽くした 新見さんならではの神業っっ! ────脱帽です!

ともだちにシェアしよう!