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夏休み4人旅☆61
** 晃・side **
『おーい。ハル?ハルくーん。』
『・・・・・・・・・』
帰りの高速バスの中。
名前を呼ぶ新見さんを無視し続ける晴臣さん。
あれから
朝ごはんを食べて、朝風呂に入って
(女将とおじさんに盛大に見送られ)
旅館を後にしたのだけど・・・・
その間ずっと、今の今までずーっと
晴臣さんは ずっと黙ったまま・・・・なんである。
『おーい。なにイジけてるんだー?ハルくーん。』
『・・・・・・・・』
『なんだ?晃と遊に負けたからか?
それで怒ってんのか?なあ。』
新見さんは負けじと畳み掛ける。
(すっげー 悪~い顔で・・・・・)
『ハル~?ハルくーん?』
『・・・・・・っ・・・』
新見さんの しつこい攻撃は続き・・・、
『もうっっ!うっさい!バカみちっ!
黙ってろよっっ!!』
とうとう無視もガマンも出来なくなった晴臣さんが
顔を上げ 噛みついた。
ああ・・・
いつも からかわれてる以上に
機嫌悪いなぁ・・
新見さんってば どうするんだろ・・・。
ハラハラしながら見守る俺と遊。
だけど、
『はは。やっと、こっち見た 。
可愛いなぁ、ハルは ♪ 』
新見さんは、すごく愛しそうに微笑むと
すごーく優しい手つきで 晴臣さんの頭を
よしよし撫で始めた。
『・・・・・は・・、はああ・・・っ💢//// !?
なに言ってんだ!バカにしてんのかっ///!?』
あああ・・・・
さらに怒らせちゃった・・・
ホント、どうすんの?
新見さんってば・・・・・
ハラハラ、ドキドキしている俺たちをよそに
『うん?
バカになんかしてる訳ねーだろ?
ハルは可愛い♪』
『・・・そ・・、な・・・、・・・・・・っ、・・っっ///////』
ニコニコ嬉しそうな新見さんに
なにも言えなくなる晴臣さん。
『よし、ハル。お菓子、食うか?』
『・・・・・・・・・えっ////?』
『それとも喉 渇いた?ジュース飲むか?』
『え・・・・、あ、・・・う・・・・・・・うん・・・///』
一気に言葉を畳み掛け
甲斐甲斐しくお世話をしようとする新見さんに
どうやら毒気を抜かれたらしい。
すっかり おとなしくなった晴臣さんは
渡されたお菓子を抱え、
ジュースを ちびちび飲み始めた。
おおお・・・・
一件落着。
見事に解決!
よかったぁぁぁ
遊と2人、
ホッと胸を撫で下ろす。
───と、新見さんがそんな俺たちに
フッと微笑んで・・・ウインクをした。
お、おおお・・・!
ウインク!
似合う!
カッコいい・・・!
まさに、おとなの漢っ !
さすが新見さん!
晴臣さんを知り尽くした
新見さんならではの神業っっ!
────脱帽です!
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