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夏休み:初めての旅行☆2
ある日の夕方。
遊のバイト終わりに待ち合わせして
ちょっと足を伸ばして
たまたま行った商店街。
たまたま やった福引き。
ポトンと出てきたのは・・・金色の玉。
カランカランカラン♪
『おめでとうございまーす!大当たり!
1等、ペア温泉旅行券でーす!』
『・・・・・・・・・・・・へ?』
おぉーと、どよめきが広がる。
続いて、パチパチと鳴り響く拍手。
『わぁー、すごい!晃くん!』
遊の笑顔。
『おめでとう!!』
はっぴを着た バーコード頭のおじさんに、バシバシ背中を叩かれる。
『当たった・・・温泉・・・ペア旅行・・・・・』
カタコトの外人みたいになる俺。
遊も 嬉しそうに笑いながら、胸の前で小さく拍手している。
『おめでとう、晃くん!』
遊にも言われて、やっと
当たったんだって 実感が湧いてきた。
温泉 ! 温泉だよーっ!!
『・・・・や、いやったぁぁーっ!』
すっげー、俺っっ!
やったぞ、俺っっ!
やたらと化粧の濃いおねーさんから
封筒を受け取る。
テンションが上がって・・・両手で持って、
「いえーい!」と、頭上に掲げる。
すると、周りにいた人たちが また 一斉に拍手をしてくれた。
んー!
気持ちいいっ!
頭を下げながら、遊の元に戻る。
『すごーい!晃くん!やったねー!』
『うん。へへへ♪』
顔がニヤけるなぁ。
ルンルンで 家に帰って、中を確認する。
───と、
『うわぁ・・・・・これ、期限が・・・・』
『・・・え?』
遊が アイスコーヒーを置いて、横に座る。
『9月いっぱい』
『あー、・・・ホントだ~』
『夏休み中に行かなきゃ、ね~』
『そうだね~』
そうと決まれば!
早速、2人のバイトのシフトを確認して、すぐに旅館に予約の電話をいれた。
平日だからか、あっさり 予約がとれて
一安心!
俺たちの地元に近いところだから、ついでに実家に帰るのもアリだな~。
なんて思ったりした。
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