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合コンと告白の行方★6

*** 遊・side *** むー 面白くない・・・ そろそろ帰ろうかな~、と思っていた時に 急に現れた女の子。 やたら、晃くんにベタベタするし、 晃くんに触りまくるし。 どうやら、以前 晃くんに告白した子みたいだ。あっさりしてた、とか言ってたけど 諦めてなかったのかな・・・? 見ていると、 真美って子は胸を晃くんの腕に押しつけて 安っぽい色気を振りまいている。 嫌だけど・・・でも、「やめて」なんて言えない。 だから・・・我慢するしかない。 視界に入ると ものすごく気分が悪い。 そっぽを向いて見ないようにする。 しばらくすると晃くんが「帰る」って言ってくれた。その顔は困り果ててるように見えて、ホッとするのと同時に嬉しさが込み上げてくる。 いそいそと帰る準備をして、立ち上がろうとした時、その女が晃くんの手を引っ張って強引に座らせるのが見えた。 はあ!? 何なの・・・コイツ! ムカついて、思わず睨んでしまったけど、 真美・・・いや、女は僕の方なんか見てなかった。 晃くんに しなだれて 「あと一杯」「一杯だけ」って 言ってるのが聞こえてくる。 とうとう晃くんも折れて、渋々 頷けば ソイツは「篠宮くんもね」と、言い残して、 飲み物を注文しに部屋を出ていった。 『晃くん・・・・』 『遊・・・ごめんね? ・・・あの子、前にコクってきた子で・・・・。 あ。でも、一杯 飲んだら帰っていい、って言うからさ、飲んで さっさと帰ろ?』 『・・・うん』 そうだね。 パッと飲んで、早く帰ろう。 周りを見ると、他のメンバー達もかなり酔っている。 気の合う相手が見つかれば、2人きりになりたいのだろう、消えた人たちも何人かいた。 帰れる、と思ったら急に気分が軽くなる。 早く・・・・ 早く 帰りたい。 早く、晃くんと2人きりになりたい。 しばらくして、女がグラスを持って戻ってきた。 やたらと「一杯だけ」と、繰り返すのが 少し気になる・・・・けど。 僕も晃くんも早く帰りたい一心で、深く考えずに一気にグラスをあけた。 さっき飲んでいたのより苦味が強い・・ような? ・・・・・・・・・・、 まあ、いいや。 よし、帰ろう、と晃くんを見る。 『・・・・・・・・・?』 晃くんの様子が、なんか様子が変・・・? 苦しそうに顔をしかめている。 「晃くん」と声をかけようとした時、急に ズシッと体が重くなった。 ・・・・・・・え? 何・・・これ・・・・・ 体が・・・・重い ダルい・・・・・・ 急に・・・・こんな事って・・・・・・ もしかして、ウーロン茶になにか・・・ 入っていた・・・・? !! じゃあ・・・晃くんも? 苦しそうな晃くんを見たら カッと頭に血がのぼった。 この女・・・・っ! 敵意を込めて、女を睨みつける。 ───が、ソイツは・・・ 晃くんに見せていた顔とは正反対の とても可愛らしいとは思えない、 厭らしい顔でニヤニヤ笑いながら 僕を見て・・・・グラスを振った。 やっぱり・・・・! やられた!

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