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晃の受難☆30
ちらりと遊を見ると、
まだ、ぽわんと ソファーに ボーッと座っててあの状態の遊に「お腹空いた」って言うのは 悪い気がして・・・。
フライパンを覗くと、 ニラたっぷりの牛肉炒めと・・・鍋は、中華スープ。
温め直すだけだから、俺にも出来るな・・・・
コンロに火をつけて温め始めると、ニンニクの香りが鼻をくすぐる。
あー、肉!うまそう・・・っ!
・・・・そういえば、ここ しばらく
ガッツリしたメニューが続いてたような・・・
うーん
きっと、遊なりに色々 考えて作ってくれてたんだろうなぁ
ホントに・・・いい奥さんっ!
俺も頑張らなきゃ~!
――って、
その奥さんに今日・・・
抱かれそうになったんだけど、俺。
でも・・・、かっこよかったな・・・遊。
上に乗っかった遊の初めて見たオスの顔を
思い出して、ニヤニヤしていると、
『ごめーん!晃くんっ・・!』
遊が、バタバタと傍にやって来た。
『ぼんやりしちゃってた・・!僕も手伝うね』
と、お玉を手に スープをかき混ぜる。
その横顔は まだ頬がほんのり赤くて・・・
ぐふふ・・・色っぽい!
やっぱり、俺の奥さん 最高!
☆ ☆ ☆
遅い夕食を済ませ、歯磨きと明日の大学の準備をしてから、一緒にベッドに入った。
いくらなんでも、“もう1回”って訳にはいかないから ただただ、抱きしめあう。
昨日までは離れて寝てたから・・・遊の温もりが感じられて 幸せ・・・・ ♪
でも・・・・目を閉じると ちょっと気になる事を思い出して・・・聞いてみることにした。
『ゆー?あの・・・さ?』
『んー?』
『あの・・あの時・・・俺の事
本気で抱こうと思ってた・・・・?』
遊に触られた時、俺は思った。
もしかしたら遊も男だから
ホントは抱かれてばっかりじゃなくて
“抱きたい”って思う事もあるのかな?って。
俺が勝手に自分が抱く側だと思ってたけど
違うのかな・・・?って。
あの時の遊の気持ちは ホントのところ
どうだったんだろう・・・?
『・・・・んー・・あの時は・・・・晃くんに気持ちよくなってもらいたくて必死だったから・・・・///
でも・・・やっぱり僕は・・・晃くんに抱いてもらう方がいい・・・・///』
『・・・ホント?無理してない?』
『無理・・・?してないよ?』
『ホントに?』
『ふふっ・・・何で?』
『だってー!遊も男だし・・・そういう気持ちになることもあるのかな・・・って』
『あー、・・・それは・・・ない、かな・・・』
『ホント?ホントに!?』
『ふふっ、ホントだよ?あー、でも・・もし・・・』
『え?』
『もし、僕が そういう気分になったら
・・・・・よろしくね?』
『・・・へっ////??う・・・ん、よろし・・・く?』
『/////』
『/////』
照れながら、見つめあって・・・
くすくす笑いあって
ああ、ホントにホントに俺は幸せなんだ
って 実感した。
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