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1[一目惚れ]

俺はこんなやつを好きになるなんて思ってもなかった。 春海カイ。不良、そう呼ばれているが意外と可愛くて守りたくなる。明るい茶髪に染めているのにさらさらの髪の毛も澄んだ黒色の瞳も全部欲しくて堪らない。 「おはようございます!蓮様!」 「おはようございます蓮様!!」 「おはようございます。」 御曹司、というだけあって毎朝何度も何度も挨拶をされる。少し面倒臭い。 「出た、不良。」 とりまきの1人が言う。その方を見ると軽く着崩した制服に明るい茶髪の不良とは言い難いような華奢とまでは行かないが少し細めの体だった。 「彼のどこが不良なんだ?」 「蓮様には関係のないことですわ。」 「いいから教えてくれる?」 「あの不良は喧嘩好きで片っ端から喧嘩をふっかけているらしいですわ。」 「ふーん…名前はなんていうの?」 「春海カイ、とか言った気がしますわ。蓮様、教室へ…」 春海カイを追いかけて腕を掴む。 「君が春海カイくん?」 「誰」 「水品蓮だよ。」 「で、なんか用?」 「用がある訳じゃないけど…君が不良って言われてるから本当なのかなって。」 「離せ。教室行くから。」 「一緒に行こうよ。何年?何組?」 「2年3組」 「じゃあ同じクラスだね。ほら行こう!」

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