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4[危険 蓮side]
土曜日…
「カイは…」
周りを探す。少し遠くにあの綺麗な茶髪が見える。だが、何人かに囲まれている。なんだか胸騒ぎがして、急ぐ。
「カイっ!!」
何人かに囲まれているカイの目にはうっすらと涙が溜まっている。
「俺のものに何してくれてるの?」
カイを隠す様に立ち、そいつらを睨む。
「うるせぇなぁ…別にいいだろ。無防備に1人にさせる方が悪いだろ。ほら、どけよ。」
カイが袖をぎゅっと掴む。きっと怖いのだろう。キスをして安心させたいのを我慢して睨む。
「失せろ。今すぐ。これ以上怒らせる気?」
「ねぇ、あれ!水品蓮様じゃない…?」
誰かがぼそっと言う。それが耳に入ったのか男たちは去っていった。
「カイ、もう大丈夫だよ。怖かったね。」
そっと頭を撫でる。きっと普通なら振り払われるだろう。でも振り払われなかった。
「カイ、キスしていい?」
「アホか…」
「やっと笑った。…カイ、好き。」
「俺は好きじゃ…な、い…?」
「言い切らないんだ。」
「だって…その…助けて、くれたし…嫌いとも…言えないし…その…」
「やっぱりカイは可愛いなぁ…」
カイは照れたのか何も言わなくなった。
「ほら!行こう!」
カイの手を取る。昨日は返されなかった手の力が返される。
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