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第四章・7

 絡みつき、吸い付いて来る楓の内に、征生はさらに昂った。 (果てる最中にコレは、たまらない……ッ!) 「っく、ふ。うッ」  立て続けに2度も、征生は射精していた。  余裕の表情は消え、切ない恋慕が心を浸してきた。 「楓。楓……っ」 「はぁ、あ。征生、さん……」  二人で精を放ちあいながら、腹をぐちゃぐちゃに汚しながら、口づけた。  身体が密着し、互いの震えが伝わって来る。  その刺激だけで、楓は再び吐いていた。 「んぁ、あぁ。はぁ、はぁ、うぅん……」  乱れる呼吸を、引き攣る身体をなだめるように、征生は楓の髪を撫で続けた。 「楓、好きだ」 「征生さん、僕も……」 (これが大翔さんに、組長に知れるとどうなるか)  いや、どうなったって構わない。  俺はもう、この人を。  楓を、愛してしまったのだから。

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