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第五章 ダチができたよ
「ウソ、だろ……!」
大翔は返ってきた模試の答案用紙を見て、呟いた。
第一志望の大学が、A判定だったのだ!
思わず吼えたくなるところを、ぐっとこらえるのが精いっぱい。
そして、心の中で楓の姿を想像していた。
『やったね、大翔くん!』
「おぉ、やったよ。やってくれたよ、俺!」
そんな大翔に、担任が珍しく優しい言葉を掛けた。
「よく頑張ったな、本城。この調子で行こうか」
「お、おぅ」
クラスの全員に答案が行きわたり、教師はやや厳しい口調になった。
「このクラスの数学の平均点は、58点。学年で、一番下だ。今から間違った問題を、各自解くように。できたら、見せに来なさい」
はぁ、と溜息が教室中から聞こえてくる。
この先生は指導熱心なところが、ややSっぽい。
(解んねぇから、間違ったんだ。それを自力で解けるか、っつーの)
やる気のない大翔だったが、次第にクラスメイトは友達同士で教え合いをしながら、解いている。
その姿に、大翔は舌打ちした。
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