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第十章 明かされた秘密

「共通テスト、得点率60%突破したぜぇー!」 「おめでとう、大翔くん!」 「センセ、センセ、大好き!」 「はいはい」  抱きついて来た大翔の頭をぐりぐりしてやり、楓はひとつ胸をなでおろした。 (これで、2次試験でよほどのことが無い限り、一安心かな) 「あ、先生。親父が、話したいことがあるって」 「ん? じゃあ、一緒に行こうか」 「いや、それが」  楓先生だけに、話しがある、って。  そんな大翔の言葉に、楓は不安になった。 (まさか今度は、うちの組に入ってくれ、とか言うんじゃ……) 「失礼します」 「おお、先生。狭いところですが、どうぞ」  そこは座敷ではなく、組長の書斎だった。  意外に近代的な内装で、デスクにはパソコンが据えてある。  本棚の書物も、ビジネス書やハウツー本が多くみられた。

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