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キス、スキ。(3)
「亜瑠兎、煽らないで。止められなくなる」
荒い息遣いさえも俺の耳孔を責める。
「そんなこと、言われてもっ!」
――も、だめ。
「イ、くっ!」
言った矢先、俺はひと息に果てる。中にいる楔をギュッと締め付けた。陰茎からは並々と精を吐き出し、水たまりを作る。
だけど月夜はそれで満足しない。再び深い抽挿が始まった。「ちょっ、つき!」
さっき達したばかりの孔は緩い。月夜を咥える肉壁はへたっている。だけど果てたおかげで身体が敏感になっている。ちょっとした動きでさえもまた感じてしまうんだ。だから月夜を簡単に締め付けるわけで――。
そして俺はまた前立腺を擦られてしまう。
「そん、やっ、またイっちゃう!!」
待っても聞かずに抜き挿しを繰り返すからたまらない。
ぶるぶると身体をけいれんさせて二度目の吐精を繰り返す。
「っひ、ああああっ!!」
何もかもがトロトロに蕩けてしまいそうだ。
へたばっている俺の腰を持ち上げると、月夜は再び貫いてくる。
「亜瑠兎、可愛いよ。もっと聞かせて」
耳孔に注がれる甘い声が、俺の脳に響く。
立て続けの吐精ですっかり出すものがなくなった俺は潮を吹く。
「バカ、バカッ、つきやのバカ! やらああっ!」
明日が休みで良かったと、意識が飛ぶ寸前にそんなことを考えた。
**END**
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