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キス、スキ。(2)
「つきっ!」
抗議する間もなくその声は再び月夜の唇によって塞がれる。
俺の股を広げた手は陰茎を触ることなく後孔へと向かう。
後孔を解すようにして広げられれば余計に感じてしまう。下着から解放された陰茎は雫を垂れ流し、自らを濡らして後孔へと伝う。
キスされながら、後孔を弄られて……。
その上、上からも下からも水音が聞こえてくるからたまらない。
……何もかもが蕩けてしまいそうだ。
「月夜、来て。も、ムリ」
俺は四つん這いになると月夜に尻を突きつけて楔が欲しいと強請る。
普段は自分からこういう体勢をとるのももちろん、こんなセリフも恥ずかしいから吐けない。
だけど快楽に染まりすぎた俺はもう限界だったんだ。誘惑するように腰を揺らして後孔を見せつける。
「君は狡いな、もう少し亜瑠兎を可愛がりたかったのに……」
月夜は困ったように笑うと、俺と同じように大きく反り上がっている楔で中を穿つ。
「あ、つ。あつぅうう、あああっ!」
熱い月夜を感じて身体を反らせば、より中にいる月夜の存在が大きくなる。
月夜が抽挿を繰り返す度に、俺の肉壁は従順に動き、飲み込む。
楔が俺のピンポイントを狙い、擦る。
目からは快楽の涙が零れ落ちる。
閉じられない口からは、普段出さないような甘い嬌声と飲み込めなくなった唾液が流れる。
「や、だめ! 月夜の、中で大きくなってる!」
肉塊がぶつかり合う音も――。
楔が俺を貫くその音も――。
何もかもが俺を狂わせる。
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