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キス、スキ。(1)
「ん、んぅう……」
ここは俺と月夜が住んでいるマンションの一室。玄関に辿り着いたと思えば気持ちを抑えられなくて、こうして廊下で組み敷かれている。
俺の口内はいったいどこまでだろう。大好きな人に口づけられ、息を吸う間も惜しんでただひたすらに受け入れた。
月夜の長い舌が口内に入りたいとノックする。直ぐさま口を開けば舌を絡み取られ、なぞるようにして形状を確かめる。そうかと思えば上顎から歯列を通って下顎へ進み、口腔のすべてを蹂躙する。
(つきや、つきや……)
襟元を握る手に力が入る。それに対して、快楽を感じすぎている下肢は震えて力が抜けていく。
(だめ、足が……)
膝に力が入らなくなって、身体が崩れ落ちそうになるすると、月夜が受け止めてくれた。ゆっくり床に下ろしてくれる。
俺と同じような体格なのに、こういう力があるのは狡いと思う。
だけど、そんな月夜も好きだからしょうがない。
俺の口内をなぞるその度に、卑猥な水音が聞こえてくるからたまらない。床に下ろされた俺の腰は小さく上下に揺れる。
――いや、それだけじゃない。陰茎は下着を押し上げて蜜を流し、早く月夜とひとつになりたいと言っている。
「っふ、んぅう」
月夜が欲しいと声を上げれば、月夜の両手が前に移動する。ジリジリとズボンのジッパーを下ろされた。
その音がやけに大きく聞こえてくる。
恥ずかしくて両足を閉じようとすると、月夜の手が下着へ潜り込み、股裏をしっかりと支えられてしまった。
俺の意思とは反対に両足を開かれる。
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