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プロローグ(4)

 嫌だ。  今はまだ、傍にいさせてほしい。  神様、まだ俺から月夜を取り上げないで!! 「やっ!! いやだ! お願い、やめないで!!」  両足を月夜の腰に絡ませて、必死にしがみつく。 「亜瑠兎!!」  お願い。  まだ捨てないで。 「離れて行かないで……」  月夜だけなんだ。  俺がこんなに好きになったのは……だから……だから……。  もう少しだけ、傍に……。 「君って人は……どうしてそうなるのかな」  月夜はそう言って眉根を寄せた。  ああ、月夜を困らせてしまった。  嫌われてしまう。  そう思えば、よりいっそう胸が苦しみだす。  たまらなくなって月夜から視線を()らした。 「亜瑠兎……愛しているよ」  不安な気持ちを抱いた俺の顎を、月夜の長い指が捉えた。  薄い唇が、俺の口を塞ぐ。 「んぅっ……」  それだけで、みぞおちが熱を持つ。  それだけで、俺の胸が月夜の想いで満ちていく。

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