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プロローグ(3)

 男の貧相な身体よりも、女性のしなやかな身体を好むに決まっている。  今は、俺が珍しいから傍に置いてくれているだけだ。  俺に飽きた時、月夜は躊躇(ためら)いなく、俺を捨てる。  だって、俺は男だ。  こうして身体の関係を持ったとしても、赤ちゃんなんてできないし、だからこそ何の後腐れもなく捨てることができる。  そりゃね、月夜は俺の真っ直ぐな目が好きだと、言ってくれている。  でも、人の心なんて移り変わるものだ。  今のところは俺を好いてくれているけれど、ずっとそうとは限らない。 「亜瑠兎」 「…………っ!!」  悲しい思いを抱いていた俺の身体は、月夜の声でびくりと震えてしまった。 「俺がこうやって君を愛している最中だというのに、何かおかしなことを考えていたね」  俺が不安を抱いていることを気づかれた。  月夜は俺から身体を離す。  俺から月夜がいなくなってしまう。

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