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プロローグ(2)

 だらしなく弛む俺の顔。  そんな俺を見た月夜は、眉間に深い皺を作った。  そんなに間抜け顔だっただろうか。  気持ち悪いって思われたかな。  もし、月夜に嫌われたら……。  そう思っただけで、俺の胸が痛みを訴える。  でも、俺は知っているんだ。  月夜よりも俺の方が、好きっていう気持ちが大きいこと。  今は俺を傍に置いてくれて、こうやって夜になるたび抱いてくれているけれどいつかは飽きられちゃうんじゃないかって。  もし、もしも、嫌われたら?  俺の身体に飽きられたら……。  俺の隣に月夜がいなくなると考えただけでも寂しくて、死んでしまうかもしれない。  だけど遅かれ早かれ、いつかはそんな日が来るのを知っている。  だって月夜は将来有望な華道家・葉桜流次期当主だ。  ただでさえ、すごい家柄になのに、加えて月夜はとても綺麗なんだ。  当然、彼は女性に不自由なんてしない。引く手あまただ。

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