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第1話(5)
「あ、あのっ!! 俺、男で……っ!!」
もしかして、また女と間違えられたっ!?
俺は自分が男だと言おうとしたとたん、背中に寒気がはしった。
男の人の手が、尻を撫でてきた。
「ちょっと!! 離せっ!!」
さすがに危機感を覚えた俺は、ありったけの力を込めて突き放そうとする。
――にもかかわらず、俺の渾身の力をもってしても、男の人にとってはどうってことないみたいだ。俺の尻は男の人の手に包まれている……。
「やっ!! はなし!!」
月夜といるおかげでこの先に何があるのかを知っている俺は必死にもがき、抵抗する。
だって、こんなの嫌だ。
好きな人以外に触れてほしくない!!
身体をひねって離れようとする俺の拒絶が尋常 ではないと思ったんだろう。男の人は息を飲んだ。
「きみ…………まさか月夜に…………」
「っつ!!」
まずいっ!!
月夜との関係がバレてしまう!!
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