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第1話(6)
考えただけでも、全身から血の気が引いていく……。
怖い。
世間の目もそうだが、何より、華道家として葉桜流を担う月夜に迷惑がかかってしまうことが怖い。
そうなれば……俺は……。
月夜に捨てられるんだろうか……。
「亜瑠兎 ?」
抵抗することも忘れ、月夜との別れの時を考えていると、唐突に背後から、俺が今まさに考えていたその人の声が聞こえた。
――月夜だ。
振り向こうとしたその瞬間、突然俺の腰が後ろに引っ張られた。
「のわわっ」
コケるっ!!
覚悟した俺は、強く目を閉じて痛みを覚悟した。
だけど、いつまで経っても衝撃はやって来ない。
それどころか、俺の身体はまた包まれていた。
見上げれば、そこにあったのは見知らぬ大学生ではなく、月夜だった。
そんな月夜の視線は、俺ではなく、目の前にいる金髪の男の人にある。
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