22 / 103

第1話(15)

「それなら問題ないよね、脱いで、亜瑠兎の身体を見せて」 「……っ!! 月夜?」  なに? なんでそんなこと言うの?  月夜の顔を凝視する俺に拍車をかけてくるのは、冷淡な顔をした月夜だ。 「何も、やましいことしてないんでしょう? だったら、俺に証拠を見せて」  証拠って……本当に俺、隼翔さんとは何もないのに。  俺は月夜が好きなんだよ?  月夜以外に抱かれたいなんて思うわけがないじゃないか! 「あ、あの!!」 「できないの? やはり……君は……」 「やっ!! 違う!! 隼翔さんとは本当に何もないんだ!!」 「だったら……問題ないんじゃない?」 「っつ!! …………わかった」  もう……どうしてこんなことになったんだろう。  惨めな気分のまま、エプロンをはずしていく。  ボタンをはずす手が、震える。  月夜に抱かれる時はいつだって、どんな時だって、月夜が脱がしてくれた。

ともだちにシェアしよう!