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第1話(15)
「それなら問題ないよね、脱いで、亜瑠兎の身体を見せて」
「……っ!! 月夜?」
なに?
なんでそんなこと言うの?
月夜の顔を凝視する俺に拍車をかけてくるのは、冷淡な顔をした月夜だ。
「何も、やましいことしてないんでしょう? だったら、俺に証拠を見せて」
証拠って……本当に俺、隼翔さんとは何もないのに。
俺は月夜が好きなんだよ?
月夜以外に抱かれたいなんて思うわけがないじゃないか!
「あ、あの!!」
「できないの? やはり……君は……」
「やっ!! 違う!! 隼翔さんとは本当に何もないんだ!!」
「だったら……問題ないんじゃない?」
「っつ!! …………わかった」
もう……どうしてこんなことになったんだろう。
惨めな気分のまま、エプロンをはずしていく。
ボタンをはずす手が、震える。
月夜に抱かれる時はいつだって、どんな時だって、月夜が脱がしてくれた。
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