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第5話(5)
「亜瑠兎、ありがとう。すごく嬉しいよ」
「っつ!!」
突然背後から腕がまわり、俺の身体が包まれた。
耳孔に、月夜の吐息と一緒に低い声が注がれる。
結局、甘い雰囲気も月夜といれば、いつだって作り出せる。
もう、本当に、月夜には敵わない。
そんな俺は、というと――恥ずかしくて、月夜に後ろから抱きしめられたまま、ただただ地面を見つめるばかりだった。
Valentine・完
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