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第3話(カイト)
アメリカ人はキライだ。この国も。横浜に帰りたい。
俺は藤崎海斗。19歳。9月からニューヨークで語学学校に通っている。
父親の転勤で横浜からニューヨークに引っ越してきてそろそろ一年。
この国には全然馴染めてない。
飯はやたら高カロリーだし、トイレは汚い。治安も良く無いし、なによりアジア人ヘイトにはウンザリ。
日本みたいな陰湿ないじめは無いけど、肩をぶつけて来たりするあからさまなヤツは多い。
俺のカタコト英語は笑われて揶揄われるのがオチ。
「あー帰りたい!」
日本語で思わず叫ぶ。
ドン
「Excuse me.」
後ろからぶつかって来た男が通り過ぎた。
「本当に最悪」
通り過ぎた男の背中を睨み付けていると、クルりと振り返ってこちらへ真っ直ぐ直進して来た。
「え?何!!??」
男は高級そうなグレーのスーツにサングラスをしている。明らかに一般人じゃないオーラを感じて怯む。
急激に冷や汗が吹き出した。
「やあ、キミはニホンジンかい?」
「え?」
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