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第14話(スティーブ)
「エージェント•ワイルド!ミーティングルームへ」
ニューヨーク支部へ到着して早々にエージェント•ハワードに捕まった。
「了解」
溜息を押し殺してハワードとミーティングルームへと向かう。
「エージェント•ハワード、そしてエージェント•ワイルド、ご協力に感謝します」
ミーティングルームにはナディール議員の捜査チームのリーダーであるエージェント•ベルが待ち構えていた。
今回の潜入捜査はエージェント•ベルからの依頼だ。
彼は40代のベテラン捜査官で、ハワードとも親しい。
エージェント•ベルから任務の内容が説明される。
「今回の潜入は少数精鋭で行きます。
エージェント•ワイルドがナディール議員に近づき、ホテルの部屋へ侵入。パソコンへハッキング用のプログラムをダウンロード。
バックアップに私と、私のチームのエージェント•クーパーが同行します。
私はナディール議員のボディーガードの動きをチェック。脱出ポイントにはクーパーが待機します。
ナディール議員は今回、シカゴで行われる講演会に出席し夜はホテルでのパーティーへ出席する予定です。
エージェント•ワイルドにはそのパーティーへ潜入し、議員に接触してもらいます」
今回の潜入任務は、あくまでもハッキング用プログラムをダウンロードする事。
ナディール議員には政界に強力なコネが沢山ある。違法な武器取引の確固たる証拠が必要だ。その為の情報収集任務。
気付かれずにハッキングプログラムをダウンロードし、速やかに脱出が重要だ。
その為には僕が議員を口説き落として部屋まで入り込むしかない。
「これを準備しています」
スティーブは青い小さな錠剤を渡された。
「部屋へ侵入したら彼女の飲み物へこの薬を入れて下さい。睡眠薬です」
「ありがとう」
いくら任務でナディール議員を口説いても、セックスをする気は一切無い。彼女には申し訳ないが眠ってもらう。
「エージェント•ハワードにはニューヨーク支部から、何か問題発生する可能性もあるので指揮と監視をお願いします」
「Ok」
ちょうど、その時ドアが開いた。
「ジェットの準備が出来ました!」
今回のサポートメンバーになっているエージェント•クーパーだ。
「了解!では、10分後に出発しよう」
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