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第27話(カイト)

あのオッサンやっぱ頭おかしい。 金持ちの感覚がイカれてんのか?いや、あのオッサンがイカれてんのか? 「おい、カイトどういう事なんだコレは?」 父親が言うのも仕方ない。 「知らねぇよ、俺だって」 「何でお前がトム•コーヴィンと知り合いなんだ?」 「道端でナンパされた?から?」 「な、な、ナンパだとぉ?!」 やべ、言い方マズった。 俺と親父は朝、家を出ようとアパートのドアを開けたらそこには高さ3メートルはあるウサギのぬいぐるみにカラフルなバルーンが20個程ぷかぷか浮いてる非現実的な光景に度肝を抜かれた。 そしてウサギのぬいぐるみの手には封筒が固定されていた。 親愛なるカイトへ トム•コーヴィン と書かれた封筒だ。 隣に住むケイティおばさんは、邪魔なドデカいうさぎをひと睨みすると「夜までに片付けないと通報するわよ」と言って大きな音を立てながらドアを閉めた。 「カイト!今晩は家族会議だ」 「、、、、」 最悪。

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