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第34話(スティーブ)
マイクの着信に自分が酷く狼狽しているのが分っている。
潜入捜査中にも関わらず。
電話に出てマイクの無事を今すぐに確認したい。
今までは、どんな時も冷静でいられた。
潜入捜査も、戦闘も。任務中にこんなにも動揺したのは初めてかもしれない。
ナディール議員の部屋に入ったまま立ち尽くす。
その時だった。
「エージェント•ワイルド。今はダメだ。マイケルの電話は出るな。
私が代わりにマイケルの安否は今すぐ確認する」
耳の内耳に取りつけたイヤホンからハワード支部長の通信だ。
マイクへの気持ちをグッと堪える。
目の前の任務へ集中しろ!
「ティム!こっちよ」
夜景を一望できるリビングのソファーでナディール議員からワイングラスを受け取る。
「ありがとうございます」
どうにか冷静を取り繕い、ソファーへ座った。
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