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第38話(スティーブ)
何とかやり切った。
ナディール議員のワインへ睡眠薬を入れやっと眠らせられた。
ソファーから担ぎ上げ、ベッドへ彼女を降ろすと既成事実作りだ。
申し訳ないがベッドやドレスを少し乱れさせた。
そしてすぐ様、部屋の隅のデスク上にあるノートパソコンを開く。
電源を入れると認証ボタンが表示された。
「エージェント•ベル。パソコンを開いた。認証はどうする?」
通信機からの応答が無い。
「エージェント•ベル、聞こえるか?
、、、この部屋は電波を遮断されているのか、、、」
マイクからの電話はこの部屋へ入る直前だった。それにエージェント•ハワードからの通信もこの部屋へ一歩入ってはいたが、まだドアが開いていた。
部屋の外に出て連絡を取るにしてもドアの外にはナディール議員のボディーガードの見張りが1名。
誰にも気付かれずパソコンへハッキング用プログラムをダウンロードしなければ、ここまでの苦労が水の泡。
認証は指紋か、、、網膜スキャンか、、、
どちらにしろナディール議員が必要そうだ。
パソコンをベッドへ持って行く。
よく眠っているナディール議員へ近づくと急にピピっと音が鳴った。
腕の中に埋め込まれたインバーターインターフェースに反応して自動的に認証されパソコンが開く。
「本当に便利だな」
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