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第42話(スティーブ)

シカゴでの潜入任務を終えて、翌朝にはWIAのニューヨーク支部へと戻った。 すぐに、マイクへと連絡する。 ピピピピ 「マイク?」 「スティーブ!ごめん任務中に連絡して」 「こっちこそ、すまない。丁度、潜入任務中ですぐに連絡出来なくて。エージェント•ハワードからは緊急じゃ無いって聞いたけど、何かあった?」 「大丈夫、本当に何も無くて。通信機、鳴らしてごめん」 「いいんだよ。君からの連絡はいつだって最優先だと言っただろ?」 「、、、」 ?何か様子がおかしい気がする。 「どうかした?」 「大丈夫だよ!そろそろ店を開けないと」 「ああ、もうそんな時間か」 「また週末」 「愛してるよマイク」 「俺も」 電話切った。何とも言えない違和感を感じる。 何かあったのか?それとも本当に思い過ごしか? マイクの事を考えている時、部屋をノックする音がした。 「エージェント•ワイルド」 ニューヨーク支部長のエージェント•ハワードだ。 「どうかしましたか?」 「潜入任務、お疲れ様。仕事の話じゃないぞ。 今日は君にプレゼントを持ってきた」 渡されたのは白い封筒だ。 中を見るとスマホサイズの薄い液晶パネル型の電子ペーパーだ。 「2名分の電子招待状だ。今週末の船上パーティーのね。良かったら君に」 「いいんですか?」 「一緒に行く予定だった友人夫婦が急に来られなくなったんだ。 チケットを無駄にするのも勿体無いし、良かったら君が使ってくれ。その招待状があれば船内の施設や飲食は全て無料だ」 「ありがとうございます」 電子招待状のタッチパネルで詳細を確認する。 マイクとの週末デートは船上パーティーに決まりだな。

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