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第62話(スティーブ)

少年をトム•コーヴィンに任せるとすぐ様デッキへ向かう。 デッキではハワードが船のクルーと一緒に救命胴衣や浮き輪を投げ込んでいた。 デッキから下を見るとすでに十数人が浮き輪にしがみついていた。マイクはいない。 「エージェント•ワイルド!今WIAの災害対策チームb(ベータ)が向かっている!」 「待てません」 海へと迷いなく飛び込んだ。 マイク、どこなんだ。 水飛沫をあげ飛び込み、すぐに海中へ潜ってみたが暗闇で視界はほぼゼロだ。 「マイク!マイク!どこなんだ!?」 声を上げるが返事は無い。 必死に数十メートルを泳ぎながら探す。 マイクを失う恐怖に、心拍数が上がるのを感じる。極度の緊張から、生まれて初めて自分がパニックになっていると気付いた。 焦りから上手く海に潜れない。 マイクどこなんだ。 「僕がすぐに海に飛び込んでいれば、、、」 僕は世界を救うためだけに生きてきた。 でも、僕にはマイク、君が世界よりも大切なんだ。

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