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序章
薄暗い座敷牢の中。
少年は一人肩を震わせ震えていた…
昼間だというのその場所は光を嫌うように暗く、畳は古びて変色し湿っぽく不快感しかなかった
「…っ」
少年は目の前の光景に怯えていた
その目の前には一心不乱に念仏を唱え続ける群集がいた
まるで、少年が神様のように長い時間唱え続けていた
決して広くはない敷地内の中に、みっちり隙間なく人が敷き詰められながら唱えるそれはもはや騒音だった
少年は自身がどんな目に合うのか、ただ不安に駆られ恐怖に怯えていることしか出来なかった…
「…っ、たす…け…て… 」
少年の微かな悲鳴も、騒がしい音にかき消された
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