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第107話
ずっとシバの元気が無い
なんにも喋らないし
落ち込んでいるようだった
会議中に漏らしてしまったのが相当ショックだったようだ
よしよしと背中を撫でていたらようやく落ち着いたようで
ようやく口を開いた
『きょうへい、』
「どうした?」
『かこきゅうってなに?』
「なに、お前過呼吸しらねえの?怖かったろ、息できなくて」
『うん、くるしくなった』
「過呼吸っていうのは、…なんだ?息吸いすぎて上手に息できなくなるから、息吸える量少なくしないといけねえんだよ」
『くるしいのに?』
「吸いすぎて苦しくなってるからな。なんかで口覆って吸える量少なくすんの」
『そうなんだ、よくわかんないけどありがと』
「あぁ」
過呼吸知らないのになったらびっくりしただろうな
急に息上手くできなくなって
『きょうへい、好き』
「どうした、急に」
『今日、おれつらかったの、助けてくれたから』
「なんだ、普通のことじゃん」
『でもおれ今日辛かったんだもん』
「辛いの無くなるまで抱っこしようなー」
『きょうへいが優しくしてくれんならおれずっと犬でいようかな』
「なんだよそれ」
『きょうへい犬すきでしょ?』
「いや、まぁ、そうだな?」
それはどういう意味だ?
まぁシバが犬みたいにしてんのかわいいしな
「シバ、犬して」
『いぬ?』
「うん、やって」
ちょっと首を傾げて
考えたあと
『わん』
と、口にする
素直でかわいい
わしゃわしゃと頭を撫でてやると
シバは俺から降りて足元にお座りをして
俺の膝に
すりすりと顔を擦り寄せてくる
犬上手いな、こいつ
「シバ、かわいい」
『わん』
「今度首輪買ってやろうか」
『や、いらない』
「なんだよ。いいじゃん」
『や。なぁ、まだ犬する?』
「かわいいからもうちょい」
『わん』
やっべえな、これかわいい
ハマりそう
『なぁ、やっぱり首輪ちょうだい』
「…いや、いつすんだよ、そんなん」
『だって、首輪っておれがきょうへいの飼い犬って証だろ?』
なんちゃって、とシバは小さな声で言って目を逸らしたからそのままシバの顔もわしゃわしゃ撫でる
いや、なんだそれ
かわいすぎんだろ
まぁ、さすがに首輪なんて付けられねえか、
なんかやべえプレイと変わんねえしな、そんなん
『どうする?』
と、シバは目を逸らしながら言った
んだよ、かわいいな
「……冗談だよ、首輪なんて」
『きょうへいがしてくれんならおれ毎日すんのに』
首輪なんか付けるなんて逆に大事にしてねえみてえじゃん
大事なシバをそんな本当のペットみたいにしたくねえしな
わしゃ、とそのまま頭を撫でると
シバは少し考え首を傾げてまた
『わん』
と、口にした
「おいで、もう犬終わり」
と、足元に座るシバの腕を引いて立たせてソファに座らせる
『もう犬いいの?』
「うん、犬終わり」
『じゃあ、』
「次はシバ、ネコなー」
と、そのままソファに押し倒す
『…なんだよ。げひん』
「いいじゃん、そんなん。ネコにしたくなったんだよ」
『きょうへいのムラムラするポイントわかんねえな』
と、言いながらも
シバは手を伸ばしてきて
ちゅ、とキスをしてくれる
かわいいな、こいつ本当に
「シバ、どこかわいがってほしい?」
『…ぜんぶ、』
「全部な」
と、シバのおでこから順番にキスを落としていくことにした
◇◆
『んんんん、』
「体痛い?」
『いたい、きょうへいはげしかった、』
と、情けなくそのままソファで盛ってしまい
しばらくぼーっとしていたシバがもぞもぞと動き出した
『…きょうへい、ゴムしてたじゃん、』
と、くちゅくちゅと少しだけ自分の後ろを弄りなが言ったシバ
「したけど?」
『…なんだよ、』
「なんだよってお前この前、後処理で泣いてたじゃねえか、辛いって」
『だって、きょうへい最近ずっとゴムしてるから、』
「セーフセックスだろ、嫌がるなよ」
『…だって、』
と、まだ少しくちゅくちゅと自分の後ろをいじっていたが
はぁ、とため息を吐いたシバ
なんだよ、お前の為思ってゴムしたのによー
『もういいや、』
と、シバは後処理もそこそこにすぐに下着も履かずにスウェットを履いたが
「ちょ、シバ?漏れてるけど?」
じょわわ、とすぐにスウェットを少し濡らしたシバ
『……きょうへいが気持ちよくしすぎるから漏れるんじゃん』
おいで、とシバの腕を引いて
スウェットを脱がせて
股間をタオルで拭いてやり
とりあえずおむつを履かせておくと
シバは今度は汚していないスウェットの上だけ着て立ち上がる
「シバ、どこ行く?トイレ?」
『ちがう、きっちん』
「キッチン?なんで」
と、シバはそのまま手を洗って
お湯を沸かし始めた
『だってきょうへいエッチしたらコーヒー飲みたくなるだろ?おれの役目だからいれてやるよー』
もうちょいシバとゆっくりしたい気もするんだけどなー、俺
せっかくシバがいれてくれんなら
喜んで飲むけど、とキッチンに立つシバの後ろに周り混み
シバの襟足にキスをする
『ちょ、なに』
「いや、シバかわいいなぁって思って」
『…じゃまするならあっちいって』
「なんだよー、お前今日機嫌悪いな。ちゃんと気持ちよかっただろ?」
『…気持ちよすぎてやだったの、』
こいつの加減難しいな、全く
「なぁ、なんでお前セックスの後、たまに機嫌悪くなんの?」
『…別に、機嫌悪くねえし』
「嘘つけよ、機嫌悪いだろ」
『…別に、機嫌わるくないけど……はずかしい、』
「へえ、恥ずかしいんだ。なんで?」
『きょうへいに恥ずかしいところも恥ずかしい顔もいっぱいみられて…恥ずかしい声、いっぱい聞かれてるし』
「へえ、全部かわいかったけど?」
『…そう言われんのがやなんだよ、ばか』
と、ぷんぷんとしながらも
俺のためにコーヒーをいれてくれるところを見てると本当にこいつ俺の事好きなんだな
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